債務整理をしたいけれど保証人がいるからムリ・・・と思ってはいませんか。
キャッシングや自動車などのローン、奨学金などの返済が苦しくなったら、債務整理をして借金を整理するのはおすすめです。
しかし、債務整理をすることで、保証人に迷惑をかけるのはイヤですよね。
借金を減らしたくても、保証人との関係が悪くなるのは困るし・・・と悩んでしまうんじゃないでしょうか。
ここでは、友人の連帯保証人になったことから債務整理をするハメになったわたしが、債務整理と保証人の関係についての話をしていきます。
保証人に影響を与えずに債務整理する方法、そして、債務整理をしても保証人になれるかにも触れています。
- 保証人がいる借入がある
- 借金の返済を少しでもラクにしたい
- 保証人に迷惑をかけたくない
- 債務整理をしても保証人になりたい
なんて思っているあなたは、チェックしてくださいね!
債務整理が保証人に与える影響
債務整理をすると、保証人に迷惑をかけてしまいます。
借金の支払いがキツいときに、有効なのが債務整理です。
任意整理は利息をカットできますし、個人再生は借金の額を大幅に減らせますし、自己破産をすれば借金をゼロにできます。
ただ、債務整理で借金が減ってよかったね、これで終了!とはなりません。
消費者金融やクレジットカードのキャッシング、銀行のカードローンなどは、保証人不要で借りられるので、債務整理はしやすいといえるでしょう。
しかし、住宅ローン、自動車ローン、事業者ローン、奨学金など金額が高額になる借入は保証人が必要になるケースがほとんどですので、債務整理をすることで保証人には金銭的、精神的な負担をかけてしまいます。
保証人への影響を考えて、債務整理をしなければなりません。
未払い分が保証人に請求される
債務整理をして借金が減るのは、借りた側にとってはありがたいですよね。
しかし、貸した側は返ってくるはずのお金が入ってこなくなります。
損をするのはイヤなので、代わりに保証人に支払ってもらおうとなるのです。
債務整理をされてしまうと、保証人は自分が借りてもいないお金を返済していかなければならないんですね。
保証人にすると、「なんで自分が借金の肩代わりをしなくちゃならないの!」ってなるでしょう。
保証人には大きな金銭的な負担を強いてしまいます。
保証人からの信用がなくなる
借金の保証人になったのは、あなたを信用していたからでしょう。
- 親しい間柄だから
- 日頃からお世話になっているから
などの理由で、保証人を引き受けたんじゃないでしょうか。
しかし、債務整理をされて、借金の肩代わりをさせられたらどうなるでしょうか?
- もう信用できない!
- あいつとはもうかかわりたくない!
- 迷惑をかけられて腹が立つ!
なんて思われても仕方がありません。
債務整理をすることで保証人からの信用を失い、関係が悪くなる可能性が高いのです。
わたしは若い時に友人の連帯保証人になったおかげで、債務整理をするハメになった苦い経験があります。
仲が良い友人でしたが、このときは「キー!だまされた!憎たらしい!」となりました。
もう、この友人に何を言われても、信用するもんかと今でも思っています。
保証人に影響がない債務整理の方法はあるの?
保証人に迷惑をかけずに、借金を減らせたら良いと思いますよね。
債務整理をしても、保証人に影響が少ない方法はあります。
保証人がいる借金におすすめの債務整理
債務整理には任意整理、特定調停、個人再生、自己破産といくつかの種類があります。
債務整理をしても、保証人に迷惑をかけたくないなら、任意整理か特定調停をおすすめします。
任意整理と特定調停は、整理する借金を選べるのがポイント。
あなたが3社から借入れしているとします。
- A社 保証人がいる
- B社 保証人がいない
- C社 保証人がいない
上記のような状態であれば、A社だけを残してB社とC社を任意整理や特定調停できるんですね。
B社とC社を債務整理しても、A社の保証人にはまったく影響がおよびません。
保証人がいるのであれば、まずは保証人がいない借金の整理を考えると良いでしょう。
任意整理と特定調停の違い
任意整理と特定調停ですが、どこが違うの?と思ったのではないでしょうか。
- 保証人がいる借金をのぞいて債務整理できる
- 利息を減らせる
- 返済する期間を延長できる
などの共通点がありますが、大きく違う点があります。
裁判所を通すか通さないかです。
任意整理は借りた側が貸した側と直接交渉し、裁判所は通しません。
特定調停は簡易裁判所での調停手続きが必要になってしまいます。
簡易裁判所を通さない分、比較的カンタンにできるのは任意整理でしょう。
また、任意整理は払い過ぎた利息を戻してもらえる過払い金請求までできますが、特定調停は別途行わなければならない、という違いもあります。
過払い金請求が発生するかもしれないなら、特定調停よりも任意整理がおすすめになります。
親が保証人の奨学金以外を債務整理するのがおすすめ
奨学金は残して、債務整理をするのがおすすめです。
学校にいくためのお金を援助してくれる奨学金は給付タイプもありますが、貸与型は返済をしていかなければなりません。
奨学金も借入のひとつなので、債務整理の対象になります。
ただ、奨学金の保証人は親であることがほとんどのため、債務整理をちゅうちょしてしまいがちなんですよね。
- 親に支払いをさせるのは申し訳ない
- 親に心配をかけたくない
- 親に怒られるので債務整理したことがばれるのイヤだ
親に金銭的、心理的な負担をかけると思うと、債務整理できない・・・となるワケです。
親への影響を避けたいのであれば、親が保証人になっている奨学金をのぞいて任意整理や特定調整をするのがベストでしょう。
奨学金を残してほかの借金を債務整理すれば、親に迷惑はかかりません。
親に知られずに債務整理をすることだって可能です。
車のローンは保証人がいなくても債務整理しないのがおすすめ
自動車ローンも債務整理できますが、未払い分は保証人が返済しなければなりません。
保証人に迷惑をかけたくなければ、自動車ローンをのぞいた任意整理や特定調停がおすすめになります。
しかし、保証人なしで利用できる自動車ローンは多いです。
収入が少ない、借入をしているなど本人の返済能力が低いと判断されると「保証人を用意しないと使わせませんよ」となるのですが、保証人なしでも契約できるケースは珍しくないんですよね。
保証人がいなければ、債務整理をしても問題はないと思うんじゃないでしょうか。
保証人に請求が行き、迷惑をかけることもないですからね。
しかし、自動車ローンは保証人がいなくても、債務整理しないのがおすすめなんです。
自動車ローンを債務整理すると、車を手放さなければならない問題が出てくるためです。
自動車ローンを支払い終えるまでは、車の所有権はローン会社にあります。
立て替えたお金を支払いしてくれないのであれば、車を使わせることはできませんとなってしまいます。
よって、債務整理をした時点で、車は没収となってしまうんですね。
通勤や仕事などで車が必須であれば、債務整理をするのはちょっと・・・となってしまうでしょう。
なので、自動車ローンはのぞいて、任意整理や特定調停をするのがおすすめなのです。
過払い金請求は保証人に影響がある?
債務整理ではないのですが、借金を減らす方法として過払い金請求があります。
過払い金請求は完済した分であれば、保証人への影響はありません。
保証人のことを気にせずに行えますね。
しかし、支払い中の借金を過払い金請求してしまうと、保証人に迷惑がかかると思ってください。
過払い金請求をすると払い過ぎた利息分を差し引いて、借金の元金が減ったりゼロになったりします。
借りた側はやったね!となりますが、支払いしなくても良くなった分は保証人に請求されることになります。
保証人への影響が大きくなりますので、過払い金請求をするときは気を付けてください。
保証人と連名で債務整理をする方法もある
保証人がいる借金も債務整理しないと、もう生活ができない・・・となってはいませんか?
しかし、債務整理をして保証人に支払いをさせるのは心苦しいと思ってしまいますよね。
保証人が代わりに支払いをしなくてもよくなるのが、保証人と連名での債務整理です。
ただ、デメリットもあるのでよく考えて行ってください。
保証人と連名で債務整理をするメリット
連名で債務整理をすると借りた側だけでなく、保証人も支払いをしなくてよくなります。
保証人に支払いをする能力がない、保証人が支払いをしたくないといったときに、有効な方法といえるでしょう。
金融機関からの督促や取り立てもありませんので、保証人にとっては精神的負担も減らせます。
保証人と連名で債務整理をするデメリット
債務整理は金融事故として扱われます。
債務整理をしたことは個人信用情報機関に記録され、ブラックとなってしまうんですね。
連名で債務整理をすると、保証人も個人信用情報にキズがつきブラックになってしまいます。
ブラックになると、クレジットカードやローンの利用はできません。
債務整理の記録は個人信用情報に5年~10年残りますので、長いことクレジットカードやローンなどの金融商品は使えなくなってしまうのです。
連名での債務整理は、保証人にブラックになることを覚悟してもらわなければなりません。
債務整理をしても保証人になれる?
債務整理をしたあとに、自分自身が保証人になる必要性が出てくるかもしれませんよね。
債務整理をしても保証人になれるのでしょうか。
債務整理をすると保証人にはなれない
自動車ローンや住宅ローン、奨学金などは、審査のときに保証人の信用情報もチェックされます。
債務整理をしていることがわかると、お金を借りるときの保証人にはなれません。
債務整理をするとブラック扱いになっているので、保証人にはなれないんですね。
金融商品の保証人にはなれなくなることを、覚悟して債務整理を行いましょう。
奨学金の保証人になれないときの対策
よくあるのが、子どもの奨学金の保証人になれないケースです。
奨学金の保証人はほとんどが両親になりますが、親が債務整理をしているので保証人になれない・・・となってしまうんですね。
ただ、奨学金をあきらめる必要はありません。
保証人は両親のどちらかで良いので、父親が債務整理をしているときは母親が保証人になればOKです。
母子家庭や父子家庭、両親とも債務整理をしているときは、保証機関を利用すると良いでしょう。
一定金額を支払いすると保証人の代わりになってくれるので、親が債務整理をしていても奨学金を借りられるようになります。
債務整理をしても保証人になれる契約もある
債務整理をするとどの保証人になるのも難しそう・・・と感じるのではないでしょうか。
しかし、債務整理をしても保証人になれる契約もあります。
賃貸住宅の保証人
賃貸住宅の保証人にはは債務整理をしていてもなれます。
ただ、家賃の支払いがクレジットカードだったり、信販会社を通しての口座引落の場合は注意が必要です。
借主だけでなく保証人の審査も行われ、個人信用情報が開示されます。
債務整理をしていることがわかると、保証人になれない可能性が高くなってしまいます。
入院時の保証人
入院をすると医療費は高額になりますよね。
病院側では医療費が支払いされないと困るため、「保証人を用意してね」と言ってきます。
医療費はローンなどの金融商品とはちがい、保証人の審査は行われません。
債務整理をしていても保証人になれます。
債務整理をしてもブラックでなくなれば保証人になれる
債務整理をすると、ずっと保証人になれないワケではありません。
保証人になれないのは、ブラックになっている間だけ。
個人信用情報機関に債務整理をした記録がなくなれば、保証人になれる可能性が出てきます。
債務整理の記録が消えるのは、任意整理は5年、個人再生と自己破産は5年~10年間。
その後は、ローンや奨学金などの保証人になることが可能です。
ただ、安易に保証人になることはおすすめしません。
借りた人が支払いできずに債務整理をすると、保証人に請求が行われます。
支払いができないと、保証人も債務整理をすることになってしまいます。
保証人になったおかげで、ふたたびブラックになってしまうかもしれないのです。
せっかく個人信用情報から債務整理をした記録がなくなったのに、また、クレジットカードも使えない、ローンの契約もできない・・・となるのは避けたくないですか?
保証人になるとしても、子どもの奨学金くらいでやめておきましょう。
保証人に迷惑をかけずに債務整理したいなら専門家へ相談しよう
借金の支払いが大変になったら、弁護士や司法書士などの専門家に相談をするのがおすすめです。
任意整理や特定調停は、保証人へ影響を与えずにできる債務整理です。
保証人がいる借金をのぞいて債務整理することで、保証人に迷惑をかけずにすみますからね。
しかし、自分ではどうやって任意整理や特定調停をすればいいのか、わからなくないですか?
専門家に相談すれば、それぞれのケースに合わせた方法を提案してもらえます。
あなたに代わって貸した側との交渉を行ってくれますし、必要な書類なども作成してもらえますし、任せておけばスムーズかつスピーディーに借金を減らせるんですね。
また、保証人がいる借金を債務整理するときも、専門家へ相談をしてください。
弁護士や司法書士はただ債務整理を行うだけでなく、保証人への対応もしてくれるので心強いです。
「債務整理をしたい」と保証人に伝えなければならなくても、楽しい話ではないので言いにくいものですよね。
かといって、黙って債務整理をすると、保証人にはいきなり「○○さん(あなたの名前)の借金を支払いをしてください」という通知が届いてしまいます。
保証人にとっては寝耳に水でしょう。
わたしが保証人の立場なら、「何これ?!一言くらい断っておくべきでしょ?!」と怒り心頭になると思います。
それに、債務整理のデメリットもふまえた正しい説明をする必要がありますが、専門的な知識がないと難しいものです。
素人のあいまいな説明では、あとから保証人に「そんなこと聞いてない」と言われ、トラブルに発展することもあるんですよね。
専門家はあなたの代わりに、保証人に債務整理についての説明をしてくれます。
保証人への影響を最小限に抑え、保証人との関係を悪化させないためにも、債務整理をするときは弁護士や司法書士に相談するのが良いのです。