振り分けを決めるのは、こちらではなく裁判所です
自己破産を申し立てると、同時廃止になるか管財事件になるか気になります。
結論は先に言います。
決めるのはこちらではなく裁判所です。
自分の立ち位置を自分で決められないと、地味に落ち着きません。
希望を聞いてもらえる場面があるのだろう、と思いたくなります。
ところが、裁判所に希望制はありません。
決める権限がこちらに無いと分かれば、かえって気は楽になります。
この記事では、同時廃止と管財事件の基準を見ていきます。
基準は、財産の額と免責に関わる事情の2つです。
期間や費用の違いも確認していきましょう。
相談先そのものから決めたい方は、先に相談先の選び方を先に見ておくと全体の見通しがつかみやすいはずです。
財産を現金に換えたらいくらになるかが、最初の基準です
同時廃止は、債権者に配当できるほどの財産が無いときに適用される手続きです。
管財事件は、現金化すれば一定額以上になる財産があるときに適用されます。
この「一定額」の運用は、裁判所によって異なります。
公開されている解説でよく挙がるのは、個別の資産ごとに20万円という線です。
法律事務所の解説だと、現金33万円・その他財産20万円という目安も見かけます。
どちらも裁判所の公表資料そのものではありません。
自分の申立て先がどう扱うかは、窓口で確かめてください。
同じ財産状況でも、申立て先の裁判所によって振り分けが変わることもあるようです。
目安として覚えておきましょう。
実際の運用は、申立て先の窓口で確認してください。
財産が少なくても、免責に関わる事情があれば話は変わります
財産がほとんど無くても、同時廃止になるとは限らないようです。
借金の理由や生活の状況に免責が認められにくくなる事情があると、管財事件に回ることがあるとされています。
ギャンブルや浪費が大きな割合を占めていた場合などが、その例として挙げられています。
財産の基準と免責に関わる事情、この2つの軸で振り分けが決まると考えておくと分かりやすいです。
期間も費用も、同時廃止と管財事件では重さが違います
同時廃止は、手続きの開始と終了がほぼ同時に進みます。
そのまま免責の審理に移ります。
期間の目安は3か月から6か月程度です。
管財事件は、裁判所が選んだ破産管財人が財産を調べて債権者に配分するため、期間も費用も重くなります。
期間の目安は6か月から1年程度です。
予納金の目安も、同時廃止より大きく変わるとされています。
金額や期間の具体的な数字は、裁判所や事案によって幅があります。
正確な見通しは申立て先の窓口で確認するのが確実です。
基準を一つに決めたくなる気持ちは、よく分かります
財産の額と免責の事情、2つの軸で判断すると聞くと、結局どちらが重いのか知りたくなります。
しばおは仕事柄、物事を一つの分かりやすい基準に落とし込みたくなるたちです。
不動産の融資を見るときも、結局は毎月のお金の流れがプラスになるかどうか、その一点だけで判断してきました。
基準が一つに決まっていると、迷う時間が減って楽なのは確かです。
お金の判断は全部その一点で決めればいい、そう思っていた時期もありました。
白状すると、その「一点主義」を自己破産の振り分けにも当てはめようとした口です。
調べはじめてすぐに行き詰まりました。
財産がゼロだと分かっても、それだけでは決まりません。
免責に関わる事情も無いこと。
その両方がそろって、はじめて同時廃止の側へ寄ります。
一点で押し切れるほど、世の中の手続きは単純にはできていないようです。
司法書士に相談するときは、1社あたりの上限を知っておきたいです
債務整理は、弁護士や司法書士に相談しながら進めるケースが多くあります。
相談先によって、代理できる範囲に違いがあります。
任意整理などで代理人になれるのは、法務大臣の認定を受けた司法書士だけです。
その認定を受けた司法書士でも、1社あたりの債権額が140万円を超えると交渉を代理できません。
この140万円は、借金の合計額ではありません。
1社ごとの金額で判断される点に注意してください。
自己破産の申立てについて司法書士に相談するときは、代理人として裁判所とやり取りする立場ではない点を押さえておきたいです。
書類の作成を通じて、本人による申立てを支援する立場になります。
この違いは、相談先を選ぶ前に知っておきたいところです。
1社あたりの金額の上限と、相談先の決め方は、相談先を決める基準の具体例に詳しくまとめています。
相談前に、自分の手元で確認しておきたいこと
相談に行く前に、財産の一覧を自分の手元でまとめておくと話が早く進みます。
現金や預金、車などを書き出しておいてください。
保険の解約返戻金のように、換金できるものも数に入れておきましょう。
借金の理由についても、事実を書き出しておくと役に立ちます。
同時廃止になるか管財事件になるかは、最終的には申立て先の窓口の判断です。
準備だけは、先に済ませておけます。
相談先そのものをまだ決めていない方は、債務整理の相談窓口の決め方から見ておくと迷いが減ります。
この記事を書いた人
しばお
かつて人材紹介の会社を経営していました。
法律の専門資格は持っていません。
運営者の経歴は運営者プロフィールのページで確認できます。
財産の基準と、免責に関わる事情の扱いは、私が複数の事務所や裁判所の公開情報を見比べながら確かめて書きました。
この記事の内容は2026年10月9日に確認しています。
実際にどちらの手続きになるかは、個別の事情によって変わります。
申立てを検討する際は、窓口でご確認ください。
