全員が同意してくれると思っていたら、そうでもないようです
任意整理は、借入先の全部が賛成してくれる前提で進む手続きだと思っていました。
白状すると、ここが一番あやふやなまま調べ始めた箇所です。
1社でも断られたら、話は振り出しに戻るのだろうと身構えていました。
結論は、少し違いました。
任意整理には、同意しない借入先が出ることを前提にした仕組みがあります。
仕組みを知らずに身構えていた分、拍子抜けしました。
この記事では、債権者が同意しない・応じない場合に何が起きるかと、そのあとに取れる選択肢を書きます。
相談先の選び方から知りたい方は、先に債務整理の相談先の決め方を見ておいてください。
債権者には、同意する法律上の義務がありません
任意整理は、裁判所を使わずに借入先と直接交渉する手続きです。
交渉である以上、相手に「応じなければならない」という法律上の義務はありません。
応じなくても、借入先側に罰則はないようです。
多くの借入先は交渉に応じているとされています。
一方で、会社の方針として一律に応じない借入先も一定数あります。
どちらになるかは、依頼する前の時点では読めません。
同意しにくい事情は、いくつかのパターンに分かれます
借入先ごとの基準は公開されていません。
断定はできませんが、同意しにくいとされる状況にはいくつかの傾向があります。
1つ目は、延滞してからの期間が長い場合です。
すでに他の手段での回収に動き始めていると、和解という選択肢自体が後回しにされやすいようです。
2つ目として、同じ借入先との間で和解や延滞を繰り返した経緯が挙げられます。
取引の経緯が交渉の材料として不利に働くこともあるとされています。
3つ目は、借入から日が浅いケース。
契約してすぐに任意整理を申し出る形になるため、応じてもらえないことがあるとされています。
同意しない借入先を外して、他の借入先だけで進められます
ここが任意整理のつくりで助かる部分です。
任意整理は、対象にする借入先を自分で選べる手続きです。
同意しない1社があっても、残りの借入先だけで和解をまとめて先に進められます。
個人再生や自己破産は、原則すべての借入先が対象です。
任意整理だけが、1社ごとに進めるか止めるかを選べます。
この違いが、同意しない借入先が出たときの対応の幅になります。
外した借入先への返済は、元の条件に戻ります
同意しなかった借入先は和解の対象から外れますが、支払いそのものが消えるわけではありません。
外した分は、契約時のままの金利と条件で返済を続けることになります。
交渉中に支払いが止まっていた期間があると、その間の遅延損害金が積み上がっていることもあるでしょう。
長期間の未払いが続けば、借入先が裁判を起こす可能性も出てきます。
外した借入先をそのままにせず、早めに今の状況を相談先へ伝えておくほうが安心です。
1社がうまくいかなくても、他の選択肢はまだ残っています
金利は、貸しているほうの利益の源泉です。
任意整理は将来の利息を止める交渉なので、借入先からすれば利益の出どころを手放す話になります。
応じない会社があるのは、意地ではなく採算の判断なのでしょう。
そう考えると、1社の返事だけで全体を決めてしまわないほうがいい理由も見えてきます。
応じるかどうかは借入先の採算で決まるので、他の借入先が同じ答えを出すとは限りません。
同意しない借入先が多ければ、個人再生や自己破産のほうが生活に合っているという場合もあります。
どちらが合うかは、借入先ごとの結果が出そろってから見えてくることが多いようです。
相談前に、確認しておきたいことがあります
借入先ごとの残高と契約してからの期間を、自分の手元で数えておいてください。
延滞している借入先がある場合は、延滞してからの期間もメモしておくと話が早く進みます。
司法書士に相談する場合、代理できる範囲は借入先1社あたりの残高が140万円以下かどうかで変わります。
この金額は元金だけで判断し、利息や遅延損害金は含みません。
線引きの詳しさは1社あたり140万円の基準と担当の分かれ方にまとめています。
相談窓口が対象にしていない相談もあります
闇金からの取り立てに困っている場合や、生活保護を受けている場合は、対象外にしている窓口が多いです。
その場合は、法テラスなど公的な窓口に確認してください。
同意しない1社があっても、そこで終わりではありません
債権者が同意するかどうかは、相談する前には分かりません。
今日できるのは、借入先の一覧と残高・契約時期を書き出しておくことです。
それだけ準備できていれば、同意しない借入先が出たときも、その場で次の手を一緒に考えてもらえます。
1社の返事を聞いてから持ち帰って考えても、失礼にはならないはずです。
相談先そのものをまだ決めていない方は、相談窓口を選ぶときに見る基準から見ておくと迷いが減ります。
すべての借入先の結果が出そろうまでは、同意しない1社があっても手続き全体が止まったわけではありません。
出そろった時点で、生活への影響をまとめて考えれば十分です。
この記事を書いた人
しばお
かつて人材紹介の会社を経営していました。
法律の専門資格は持っていません。
運営者の経歴は運営者プロフィールのページで確認できます。
同意しない借入先が出た場合の扱いは、私が複数の事務所の公開情報を見比べながら確かめて書きました。
この記事の内容は2026年10月6日に確認しています。
実際に同意が得られるかどうかや、その後の対応は、借入先ごとの事情によって変わります。
相談する際は、最新の状況を確認してください。
