「断られたらどうしよう」という不安から、先に済ませておきます
任意整理を調べていると、時々こんな言葉が目に入ります。
「断られるケースがある」。
これを見て、相談する前から気持ちが沈んでしまう方もいるはずです。
「断られる」と聞いて、私は就活の最終面接を思い出しました。
実際に問われるのは、志望動機ではなく、来月の家計のほうです。
緊張する方向を、完全に見誤っていました。
結論から言うと、断られる理由はいくつかに絞れます。
先に知っておけば、無駄に不安がる必要はありません。
そもそも誰に頼むかから決めたい方は、債務整理をどこに相談すればいいかの比べ方を先に見ておいてください。
いちばん多いのは、返し切れる見込みが立たないケースです
任意整理は、借金を減らしたうえで、原則3年から5年ほどで完済する計画を組みます。
この期間で返し切れる収入が無いと判断されると、応じてもらえないことがあります。
ここで大事なのは、雇用の形ではなく、続く収入があるかどうかです。
正社員でなくても、家計から返済額を出せる見込みが立てば、対象になり得ます。
専門家への費用を用意できないことも、断られる理由になります
手続きを進めるには、依頼した先への費用が必要です。
この費用を最初にまとめて払えない場合、断られることがあります。
事務所によっては、分割払いに応じてもらえる場合もある、という説明です。
費用の払い方は、依頼する前に確認しておくと、あとで慌てずに済みます。
取引期間が短い、借入額が少ない。これも業者側の事情で影響します
借りてからの期間が短かったり、金額が少なかったりすると、貸した側が「一括で払えるはずだ」という姿勢を崩さないことがあります。
これは、こちらの事情ではなく、貸した側の方針によるものです。
実際に、どの借入先が応じやすいかは、借入先ごとに差があります。
1社ずつの状況を、手元で数えて把握しておくと、話が早い形です。
逆に言えば、借入額が大きく取引期間も長い借入先ほど、任意整理の交渉に応じてもらいやすい傾向があります。
これも断る側の事情なので、こちらの努力でどうにかなるものではありません。
認定を受けた司法書士に依頼できるのは、1社あたり140万円までです
任意整理は、司法書士へ相談することも、弁護士へ相談することもできます。
任意整理の代理を認定を受けた司法書士へ依頼できるのは、借入先1社あたりの債権額が140万円までです(最高裁 2016年6月27日判決)。
ここでの基準は、借金の総額ではありません。
1社あたりの残高で判断します。
1社だけで140万円を超えている場合は、その1社の分は弁護士への相談が前提です。
総額が同じ300万円でも、内訳によって結論は変わります。
1社あたり50万円の借入先が6社なら、司法書士へ依頼することで、まとめて交渉してもらえます。
逆に1社だけで200万円を借りている場合は、その1社の分は弁護士へ相談する流れです。
この判断は、借入先ごとの残高を数え直すところから始まります。
手元の明細を1社ずつ確かめて実際の内訳を出しておくと、依頼する先を決めやすくなる、という進み方です。
自分の借入先ごとの残高は、明細を確かめれば分かります。
依頼する前に、実際の数字を手元でそろえておくと安心です。
相談窓口が対象にしていない相談もあります
債務整理を扱う相談窓口は、すべての相談を受け付けているわけではありません。
闇金からの取り立てに困っている場合や、生活保護を受けている場合は、対象外にしていることが多いです。
該当する場合は、法テラスなど、別の相談先を先に確認してください。
相談先の分かれ目は、債務整理の相談先の選び方にまとめています。
断られても、そこで行き止まりにはなりません
収入や費用の事情で断られても、選択肢そのものが無くなるわけではありません。
特定調停や個人再生、自己破産など、別の手続きの射程に入ることもあります。
一社に断られても、就活と同じで、次の窓口を数えればいいだけです。
落ちた理由の分析より、次に進むほうが早いことがあります。
まずは、借入先の数と残高を1枚に数えて書き出してみてください。
そのうえで相談先を決めるときに見る基準を確認すると、自分がどの手続きに当てはまるかが見えてきます。
今日この瞬間にすべてを決める必要はありません。
書き出すところから始めれば十分です。
急いで結論を出すより、手元の数字をそろえるほうが、結果として近道になることがあります。
この記事を書いた人
しばお
かつて人材紹介の会社を経営していました。
法律の専門資格は持っていません。
運営者の経歴は運営者プロフィールのページで確認できます。
断られるケースや費用の扱いは、この分野を扱う複数の事務所が公開している情報を見比べながら書きました。
この記事の内容は2026年9月27日に確認しています。
実際に断られるかどうかは、収入や借入先の状況によって変わります。
手続きを進める際は、相談先で最新の状況を確認してください。

