督促が止まると聞いて、頭に浮かんだのは黒塗りの車でした
任意整理を頼むと、督促が止まる。
ネットで何度も見た言葉です。
ただ、実際に何が起きるのかまでは、案外はっきりしません。
督促が止まると聞いて、頭に浮かんだのは黒塗りの車と強面の人でした。
実際に起きるのは、いつもの郵便受けに白い封筒が一通増えるだけです。
ドラマの見過ぎだったようです。
この記事は、依頼した直後に何が起きるかを先に知っておきたい方に向けて書いています。
読み終えると、督促が止まるタイミングと、和解までの利息の扱いが分かるはずです。
依頼する先をどう選ぶかから知りたい方は、債務整理をどこに相談すればいいかの比べ方を先に見ておいてください。
受任通知が届くと、貸した側は本人への直接の請求ができなくなります
司法書士や弁護士へ依頼すると、まず「受任通知」という書類が、借入先の会社へ送られます。
この通知が届くと、貸金業法21条にもとづき貸した側は本人への直接の請求ができなくなる、という仕組みです。
電話も、郵便での督促も、これ以降は止まります。
連絡の窓口は、依頼した先の1か所に一本化される、という流れです。
止まるまでには、郵送のタイムラグが数日あります。
依頼した当日にすべての電話が消えるわけではないので、そこだけ覚えておいてください。
和解が成立するまでは、おおよそ3か月から6か月です
受任通知のあと、依頼した先が借入先ごとの取引履歴を取り寄せ、金額を確定させます。
そのうえで、借入先1社ずつと交渉し、返済方法について合意します。
この一連の流れにかかる期間は、借入先の数や対応の速さによって前後しますが、目安はおおよそ3か月から6か月です。
一度にまとめて終わるものではなく、1社ずつ順番に進みます。
その間、利息は止まっているのか。答えは「帳簿の上では増え続けている」です
ここでよく誤解されるのが、利息の扱いです。
督促は止まっても、借入先の帳簿の上では、利息はそのまま計算され続けています。
和解までの数か月、利息は帳簿の上で律儀に増え続けます。
まるで解約し忘れたサブスクのようです。
ただしこちらは、和解した瞬間にきちんと精算されます。
金利は、貸した側にとっての利益の源泉です。
督促が止まっても、帳簿の上の計算だけは止まりません。
ここが止まるのは、和解したときです。
和解が成立すると、経過利息と将来利息の扱いが、まとめて決まります。
経過利息を減らすかどうか、将来利息を付けるかどうかは、この和解の中身次第です。
多くの場合、将来利息はゼロにする形で合意が進みます。
ただし、これは交渉の結果であり、依頼すれば自動的にそうなると約束されたものではありません。
司法書士に依頼できるかどうかは、認定の有無と140万円の上限で決まります
任意整理は、司法書士へ相談することも、弁護士へ相談することもできます。
ただし、代理人として交渉できるのは「認定」を受けている場合に限られ、しかも借入先1社あたりの債権額が140万円までと決まっています(最高裁 2016年6月27日判決)。
ここで大事なのは、「借金の総額」ではなく「1社あたり」で判断する点です。
総額が300万円でも、1社あたりが140万円以下の借入先6社なら、司法書士へ依頼することですべてを代理してもらえます。
逆に、1社だけで140万円を超えている場合は、その1社の分は弁護士へ相談する形です。
この上限は、元金で判断します。
利息や遅延損害金は含みません。
1社あたりの残高がいくらかは、借入先ごとの明細で確かめられます。
依頼する前に、手元で照らし合わせておくと、話がスムーズです。
相談してすぐ終わるわけではなく、面談が前提になっています
所属する会の指針では、直接会って事情を確認する「面談」が原則とされています。
そのため、相談の申し込みから面談へ進む流れをあらかじめ知っておくと、あとで戸惑いません。
問い合わせだけで手続きが終わるわけではない、と先に知っておくほうが、当日の話がスムーズです。
相談窓口が対象にしていない相談もあります
債務整理を扱う相談窓口は、すべての相談を受け付けているわけではありません。
闇金からの取り立てに困っている場合や、生活保護を受けている場合は、対象外にしていることが多いです。
該当する場合は、法テラスなど、別の相談先を先に確認してください。
相談先の分かれ目は、債務整理の相談先の選び方にまとめています。
今日決めなくても、書き出すところまでは進められます
受任通知が届いてから和解まで、数か月という時間がかかります。
だからこそ、今日この瞬間にすべてを決める必要はありません。
まずは、借入先が何社あるかを数えてみてください。
そのうえで、残高と金利を1枚に書き出すと、自分がどの手続きに当てはまるかが見えてきます。
相談先を決めるときに見る基準も、あわせて確認しておくと迷いません。
この記事を書いた人
しばお
かつて人材紹介の会社を経営していました。
法律の専門資格は持っていません。
運営者の経歴は運営者プロフィールのページで確認できます。
受任通知の効力や和解までの流れは、この分野を扱う複数の事務所が公開している情報を見比べながら書きました。
この記事の内容は2026年9月27日に確認しています。
実際の期間や利息の扱いは、借入先の数や状況によって変わります。
手続きを進める際は、相談先で最新の状況を確認してください。

