説明会の終わりに、司会の人が「ご質問はありますか」と言います。
会場がしーんとなって、手が挙がらないまま、時間だけが過ぎていく。
いい質問は、たいてい帰りの電車で浮かびます。
会場を出て、三駅目あたりで。
三駅目の質問は、会場には届きません。
この記事は、三駅目に浮かぶ質問を、会場に入る前に用意しておくための準備です。
不動産投資のセミナーや面談で話を聞く予定の方に向けて、何を聞き、どの数字を紙に書いてもらうかを決めていきます。
相談先をどう選ぶかから考えたい方は、不動産投資の相談先の選び方と判断基準を先に読むと、話が早く進みます。
セミナーと面談では、聞けることが違います
セミナーは、全体像を学ぶ場です。
仕組みやリスク、会社の考え方が話の中心になります。
個別の物件の数字が出てくるとは限りません。
数字が出るのは、そのあとの面談になることもあります。
だから、質問は場に合わせて2つに分けて持っていきます。
- セミナーで聞く:数字の出し方の考え方(何を引いた数字か、どんな前提で計算するか)
- 面談で聞く:その物件の数字(月々の手残りと、悪いほうへ動かした数字)
質問の型は、どちらの場でも同じです。
セミナーでは「一般にはどう出しますか」と聞き、面談では「この物件ではいくらですか」と聞く。
言い換えるだけで使えます。
最初に聞くのは、何を引いた数字かということ
同じ「キャッシュフロー」という言葉でも、何を引いた数字かは、説明する側によって違うことがあります。
家賃からローンの返済だけを引いた数字のこともあれば、管理費や税金まで引いた手残りのこともある。
言葉が同じだと、数字だけ見て「プラスだ」と安心しがちです。
私が物差しにするのは、毎月の手残りです。
次の5つを、月ごとの金額で書いてもらってください。
- 毎月の家賃(いま入っている額)
- ローンの返済額(返済期間と金利の前提つき)
- 管理費と修繕積立金
- 固定資産税(年額を12で割った額)
- 管理会社へ払う手数料
1から2〜5を引いて、プラスが残るかを見ます。
これが、いちばん手前の質問になります。
この数字は、家賃から何を引いたものですか。
返済・管理費・修繕積立金・固定資産税・管理手数料をすべて引いた、月々の手残りで教えていただけますか。
悪いほうへ動かした数字も、同じ表で出してもらう
プラスの数字を見せられると、それだけで話が終わった気になる。
でも、その数字には「いまの前提のまま」という条件がついています。
空室と家賃の下落。
修繕積立金の値上がりと、金利の上昇。
どれも、起きてから慌てて調べるより、先に表へ入れておくほうが静かに済みます。
聞くのは、この4つです。
- 空室が出た月(次の入居者が決まるまで家賃が入らない)
- 家賃が下がったとき
- 修繕積立金が上がったとき
- 金利が上がったとき
空室が出た月と、家賃が下がった場合。
修繕積立金や金利が上がった場合。
それぞれの手残りも、同じ表で出していただけますか。
返済期間にも、1問ほしいところです。
長くすると、毎月の返済は軽くなります。
そのかわり、払う利息の総額は増える。
「期間はどう決めた数字ですか」と聞くと、手残りの作り方が見えてきます。
悪いほうへ動かしてマイナスに転じる条件なら、それは有益な情報です。
その条件では買わない、という判断材料が手に入ったからです。
比べてから決めたい方へ
ほかの相談先も候補に入れたい方向けです。
家賃保証があるときは、外した数字も聞く
説明の中で、家賃保証(サブリース)が出てくることがあります。
空室でも一定の家賃が入る、という仕組みです。
聞こえはいい。
ただ、保証される家賃は見直されて下がることがあります。
こちらから契約を解きにくい場合もある。
入居者と直接つながれず、保証のぶん手取りも減ります。
需要が続く場所なら、空室は短い期間で埋まりやすい。
集金や入居者募集の作業は、管理会社に任せる集金代行で足ります。
私は、保証に頼らず判断を自分で持つほうが性に合う。
裏側も、同じ分量で書いておきます。
保証を外せば、空室の間の家賃は入らない。
だから、空室が出た月の手残りを聞く質問が効いてきます。
家賃保証が付く場合と、付けない場合で、月々の手残りはそれぞれいくらですか。
保証家賃が見直される条件と、解約の条件も教えてください。
断定の言い方と、書面の出るタイミングも見ておく
数字のほかに、聞き方で見えるものもあります。
勧誘の場で、利益が出ると言い切られたときです。
宅地建物取引業法には、宅建業者が契約の勧誘で、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為をしてはならないと定められています(47条の2第1項)。
言い切られたら、その根拠の数字を紙に書いてもらう出番です。
書面にも触れておきます。
物件の売買では、契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士が書面を交付して説明することになっています(35条1項)。
書面は契約の前に出てくるので、読む時間をくださいと頼んで構いません。
契約の前に、重要事項を説明する書面を先に見せていただけますか。
持ち帰って読んでから、判断したいです。
申し込む場所によって、扱いが変わる制度もあります。
宅建業者が自ら売主の売買で、事務所など以外の場所で申し込んだときの話です。
撤回できる旨と方法を書面で告げられた日から数えて8日を経過するまで、書面で申込みの撤回や契約の解除ができます(37条の2第1項)。
事務所などで申し込んだ場合は、対象になりません。
物件の引き渡しを受けて代金を全部払ったあとも、撤回や解除はできなくなります。
売主が誰か、どこで申し込むかで変わるので、契約前の書面で確かめてください。
その場では決めず、持ち帰って検算する
聞いた数字は、その日のうちに紙へ写します。
家で、もう一度引き算をする。
手書きで十分です。
電卓は、押した数字をそのまま信じてくれます。
紙は違います。
自分の字を見て、「この修繕積立金、さっきより増えていないか」と先に疑ってくれる。
その場で決めないと決めてから行くと、断るのも難しくありません。
「持ち帰って検算します」は、どの相手にも使える言い方です。
数字を出してもらえない。
出しても、前提を説明してもらえない。
それも、判断材料になります。
見送るという選択肢を、持ったまま行ってください。
この準備が向かない人もいます
- 数字ではなく、担当者の人柄で決めたい人
- 手残りがマイナスの条件でも、とにかく今買いたい人
- 頭金を入れると、急な出費に回す手元資金が残らない人
- 値上がり益を前提にしないと、計算が合わない人
当てはまるなら、今は話を聞くだけにして、見送るのも自然な判断です。
見送ったからといって、何かを失うわけではありません。
条件がそろったときに、同じ質問でもう一度確かめればいいのです。
相談先ごとの扱う物件の違いは、新築と中古の違いにも触れた相談先の比較で見比べられます。
不動産投資に、元本の保証はありません。
収支は、空室や家賃の下落、修繕や金利で動く。
この記事も、特定の物件や将来の値段を約束するものではありません。
話を聞く場は、扱う物件で選ぶ
中古を軸に話を聞くなら、東京の中古ワンルームを中心に扱う日本財託のセミナーが候補になります。
自社のコラムで、サブリースより集金代行を勧めている会社です。
家賃保証に頼らない考え方と、話の向きがそろっています。
セミナーは全体像を学ぶ場なので、まずは「何を引いた数字か」と「悪いほうへ動かした数字の出し方」を聞いてみてください。
申し込む前の確認事項は、日本財託のセミナーを申し込む前に確認することで読めます。
条件は変わることがあります。
申し込む前に、公式サイトの最新の表示をご確認ください。
しばおが、この質問を書ける理由
私は不動産を、自分でも一棟持っています。
勧める、勧めないの前に、聞かないまま決めてほしくはありません。
この記事の質問は、毎月の手残りを先に見る私の順番を、そのまま文章にしたものです。
私は宅地建物取引士でも税務の専門家でもなく、金融商品取引業の登録もありません。
物件の紹介も売買の仲介もできません。
書けるのは、話を聞く前に持っておく質問までです。
運営者について詳しくは運営者情報のページをご覧ください。
窓口ごとの向き不向きを見比べてから決めたい方は、不動産投資の相談先を比べて選ぶページへ進んでください。
日本財託|公式サイト
不動産投資には元本保証がありません。
空室や家賃の下落、金利の上昇、修繕の費用によって、毎月の手元に残るお金はマイナスに変わることがあります。
セミナーの日程や内容は変わることがあるため、申し込む前に公式ページで最新の内容をご確認ください。


