他の仕事から介護へ移ると決めたとします。
制度のページを開いて、「20万円」の文字に目が止まります。
その下には、小さな字で「貸付」。
人の目は、金額の数字にだけ先に吸い寄せられるようです。
「返還免除」の4文字は、あとから追いかけてきます。
ここからは、返さなくてよくなるまでの順番と、県ごとに違う条件を書いていきます。
申請の前に窓口へ聞く質問文も、そのまま使える形でつけました。
窓口選びから決めたい方は、介護職の転職窓口を比べたページが先に役立ちます。
20万円は、もらうお金ではなく、借りて返さなくてよくなるお金です
介護分野の就職支援金は、他の仕事から介護職へ移る人向けの貸付です。
東京都と愛知県と神奈川県では、各地の社協が窓口になっています。
社協の中の福祉人材センターが、申請を受け付けます。
貸付の上限は、20万円です。
東京都と愛知県の案内では、貸すのは1人1回限りです。
東京都の案内では、利子もかかりません。
2年間、介護職員として働くと、返還が免除されます。
返さなくて済む、ということです。
20万円は、2年かけて「借りたお金」から「返さなくていいお金」に変わっていきます。
変わるまでの2年間は、ちゃんと借金の顔をしています。
返さなくてよくなるまで、お金と書類が動く順番
愛知県の案内を例にすると、流れは次の6段階です。
- 福祉人材センターで、求職の登録をする
- 初任者研修かそれ以上の研修を、修了する
- 介護の事業所から、内定をもらう
- 内定から就職後1か月以内に、申請する
- 決定の通知が来たら、借用証書を出す
- 県内で2年間働いて、免除を受ける
順番で引っかかりやすいのは、研修が先に来る点です。
資格がないまま就職を決めても、すぐ申請できるとは限りません。
就職と同時に研修を受ける人は、受講の確約書を出す形です。
修了証の写しにも提出の期限があるので、窓口で確かめておきましょう。
お金が入る日にも、目を向けておきましょう。
愛知県の案内では、申請から振り込みまで約1か月半です。
支度のお金が必要な日と振り込まれる日は、ずれることがあります。
県によって、条件はこれだけ違う
同じ「2年」でも、県によって数え方や期限が変わります。
東京都と愛知県の案内を並べると、次のとおりです。
| 見るところ | 東京都 | 愛知県 |
|---|---|---|
| 申請の期限 | 就職した日から3か月以内(郵送のみ) | 内定から就職後1か月以内 |
| 免除に必要な働き方 | 都内の事業所などで、2年以上 | 県内で2年間続けて、従事日数360日以上 |
| 2年に届かないとき | 条件を満たさないと、全額を返す | 1年以上(180日以上)なら、一部免除の仕組みがある |
神奈川県など、この表にない県で働く人は、2年の数え方を県の窓口で確かめましょう。
在籍の日数と従事の日数を分けて数える県もあります。
パートで働く予定の人は、週の時間と日数を先に見積もっておきましょう。
前の仕事が介護だった人は、対象かどうかを窓口で聞いておきましょう。
介護の経験がある人には、別に再就職の準備金という貸付があります。
2年に届かなかったとき、20万円はどうなるのか
東京都の案内では、条件を満たさなければ全額の返還です。
愛知県は、少し細かく決めています。
愛知県で1年以上(従事日数180日以上)働けば、一部が免除されます。
免除額は、貸付額に勤務月数をかけて、24で割った額です。
20万円を借りて12か月働いた場合、この式では10万円になります。
本人の責任による免職や、特別な事情のない気ままな退職には、この仕組みは使えません。
病気やけが、産休・育休などで働けない間の扱いも、窓口に聞いて確かめましょう。
見落としやすい手続きもあります。
愛知県では、毎年4月1日時点の勤務の状況を、勤め先に証明してもらいます。
業務従事届の提出は4月30日までで、免除が決まるまで毎年です。
この貸付が向かない人
向かない場合も、先に分かっていれば遠回りになりません。
次の人は、別の方法も考えたほうが楽です。
- 2年のあいだに、県外へ引っ越す予定がある人
- 研修を修了する見込みが、まだ立っていない人
- 連帯保証人を頼める人が、身近にいない人
- 働く日数や時間が、基準に届かなそうな人
- 介護福祉士の修学資金などを、すでに借りた人
愛知県の案内では、連帯保証人を立てるのが条件です。
両親や配偶者でも引き受けられるとされています。
介護福祉士の修学資金や再就職の準備金を借りたことがある人は、愛知県では対象外です。
この点は、県をまたいで転職する人ほど気をつけてください。
貸付の対象にならなくても、介護の仕事に移れなくなるわけではありません。
窓口の選び方は、無資格から相談できる窓口の比較に書いています。
申請の前に、県の窓口で聞くこと
条件の細かい部分は、住む県と働く県で変わります。
窓口では、まず次の4つを聞いておきましょう。
質問は、そのまま読み上げても、書き写してもかまいません。
介護分野の就職支援金(20万円以内の貸付)について、4点を教えてください。
1. 申請の期限は、内定と就職のどちらの日から数えますか。
2. 免除に必要な2年は、日数や週の時間で、どう数えるのですか。
3. 連帯保証人は、必要でしょうか。
4. 前の仕事が介護だった場合や、県をまたいで働く場合も、対象になりますか。
窓口の受付の曜日と時間は、行く前に県の福祉人材センターの案内で確かめておきましょう。
金額や期限、対象になる研修は、年度や県によって変わることがあります。
申し込む前に、お住まいの県の福祉人材センターの最新の案内をご確認ください。
仕事を続けながら動く人は、受付の時間によっては、昼休みや休暇を使うことになります。
聞いた内容は、日付と担当者の名前もつけてメモしておくと、あとで見返せます。
しばおが、貸付の条件だけに絞って書いた理由
しばお
1974年生まれの団塊ジュニアです。
かつて人材会社をやっていて、自分でも5回転職して6社を渡り歩きました。
介護の現場で働いた経験はありません。
だから、職場の話は書かず、制度の条件に絞りました。
福祉や法律の資格も、持っていません。
条件は、社協の案内で読めた分だけを書きました。
運営者の経歴は運営者プロフィールのページで確認できます。
貸付を使うかどうかと、どこで求人を探すかは、別の話です。
求人の探し方は、介護職の相談先を比べて選ぶページで確かめられます。



