名前が似ている2つの手続き、中身は結構違います
個人再生を調べていると、2つの名前に行き当たります。
小規模の個人再生と、給与所得者の再生です。
最初は、双子のきょうだいくらいの違いだと思っていました。
実際に並べてみると、性格がまるで違う姉妹でした。
順番に見ていきましょう。
手続きの前に相談先から決めたい方は、債務整理をどこに相談すればいいかの比べ方を先に見ておいてください。
小規模の個人再生は、貸した側の同意が要ります
小規模の個人再生では、返済計画に対して、貸した側の同意が要ります。
正確には、頭数の過半数か債権額の半分以上のどちらかで反対されなければ、計画は認められます。
多くの場合、こちらのほうが返済額を低く抑えやすい仕組みです。
そのため、多くの場合はこちらから検討する形になります。
たとえば、借入先5社のうち反対しそうな相手が思い当たらない場合は、小規模の個人再生から検討するのが自然です。
実際に反対されるかどうかは、申立てのあと、裁判所を通じた手続きで判明します。
給与所得者の再生は、同意が不要な代わりに基準が増えます
給与所得者の再生には、貸した側の同意という手続きがありません。
反対されても、計画を進められる形です。
ただし、その代わりに「可処分所得の2年分」という基準が加わります。
収入から生活費を引いた残りの2年分を、最低弁済額の候補に入れる仕組みです。
扶養家族が少なく、年収が高い方ほど、この基準の金額が上がりやすくなります。
結果として、小規模の個人再生より返済額が増えることが多いです。
単身で年収が高めの会社員の場合、生活費として引ける金額が少なめになりやすく、残る可処分所得は大きくなりがちです。
扶養家族が多い世帯では、逆にこの基準が下がりやすくなります。
実際の金額は世帯構成や地域で変わるため、ここでは仕組みだけの説明です。
対象になるには、収入の変動が小さいことが目安です
給与所得者の再生を使うには、定期的な収入があり、その額の変動が小さいことが条件になります。
目安は、年収の変動幅がおおむね5分の1程度に収まるかどうかです。
歩合給の割合が大きい仕事や、収入の増減が激しい年は、この条件に当てはまりにくくなります。
会社員や公務員のように月々の額がほぼ一定な仕事なら、条件に合いやすい形です。
手元の給与明細を数か月分そろえて、実際の変動の幅を確かめておくと見当がつきます。
ボーナスの増減が大きい方は、年単位でならして数えてみてください。
基本の選び方は、まず小規模から検討する形です
多くの解説に共通するのは、まず小規模の個人再生を検討する順番です。
貸した側の反対が見込まれるときだけ、給与所得者の再生を考えます。
反対が予想される借入先があるかどうかは、これまでの返済状況からある程度分かるものです。
延滞が続いていたり、督促のやり取りで強い姿勢を見せていたりする借入先は、反対に回りやすい傾向があります。
「反対されそうな借入先が思い当たるかどうか」を、まず自分で数えてみてください。
それだけで、どちらを検討するかの方向性が見えてきます。
安いほうから先に検討するのは、値札を見てから服を選ぶのと同じ順番です。
特に恥ずかしいことでもありません。
どちらの条件にも当てはまらない場合は、任意整理や自己破産という選択肢も残っています。
型はこの2つだけではありません。
借金を整理する方法は、ほかにも複数あります。
収入や借入先の状況は、向いている手続きを左右する条件です。
住宅ローン特則は、小規模の個人再生でも給与所得者の再生でも使えます。
家を残しながら進めたい方は、どちらの型を選んでも、この特則の条件を別に確かめておく必要があります。
手元の住宅ローンの契約書と、登記簿の内容を、あらかじめそろえておくと確認がスムーズです。
2つの型の違いと合わせて、まとめて準備しておくと二度手間になりません。
相談窓口が対象にしていない相談もあります
債務整理を扱う相談窓口は、すべての相談を受け付けているわけではありません。
闇金からの取り立てに困っている場合や、生活保護を受けている場合は、対象外にしていることが多いです。
該当する場合は、法テラスなど、別の相談先を先に確認してください。
相談先の分かれ目は、債務整理の相談先の選び方にまとめています。
今日この瞬間にどちらかへ決める必要はありません。
まずは借入先ごとの状況を書き出し、相談先を決めるときに見る基準も確認しておくと、実際に動くときに迷いません。
この記事を書いた人
しばお
かつて人材紹介の会社を経営していました。
法律の専門資格は持っていません。
運営者の経歴は運営者プロフィールのページで確認できます。
2つの手続きの違いは、この分野を扱う複数の事務所が公開している情報を見比べながら書きました。
この記事の内容は2026年9月27日に確認しています。
実際にどちらを選べるかは、借入先の数や収入の状況によって変わります。
手続きを進める際は、相談先で最新の状況を確認してください。

