「仮想通貨はやめとけ」と言う人は、あなたの近くにも一人はいるはずです。
私も長く、言う側にいました。
私は55歳で、株や先物の短期売買で痛い目を見てきた人間です。
だから、「やめとけ」の中身を、人より具体的に書けます。
やめるにしても試すにしても、判断の材料はそろえて損はありません。
試す側に回ったときの入口は、取引所選びの判断軸を先に見ておくで扱っています。
「やめとけ」と言われる理由は5つに絞れる
先に、理由の中身を並べます。
- 値動きが荒く、元本割れの幅が大きくなりやすい
- 利益にかかる税が重く、株の税と仕組みが別
- 損が出ても、株や投信の利益と相殺できない
- SNS経由の投資詐欺の入口になりやすい
- 交換業者からの流出など、持ち方にもリスクがある
どれも印象論ではなく、制度と市場の性質の話です。
重い順に、体験を交えて話します。
一つ目の値動きの荒さは、私の口座にも記録が残っています。
暗号資産を50万円分だけ、一括で買ったことがあるからです。
評価額は一時、5倍ほどまで膨らみました。
ところがその後の急落で、いまは買値をわずかに上回るだけです。
売らずに持ち続けた結果が、この振れ幅でした。
同じ上下を、退職金のような大きな額で浴びたらどうなるか。
そう考えると、見送りが正解になる人は確かにいます。
暗号資産は24時間365日取引できます。
この事実はコインチェックの公式コラムにもあります(2026年8月18日時点)。
市場が眠らないので、買った人の頭も休まりません。
平日の昼は仕事、夜は値動きが気になって眠りが浅い。
そんな生活になりやすい市場です。
私も昔は、寝る前と起きた直後にチャートを開く生活でした。
視力と判断力を、同時にすり減らしました。
私が1,000万円の含み益を溶かした話
やめとけと言う私の根っこには、自分の失敗があります。
25歳から40歳ころまで、株や信用取引や先物で短期売買をしていました。
FXではレバレッジを15倍前後まで上げていた時期もあります。
あるニュースをきっかけに、S&P500のCFDを約1億円分空売りしました。
含み益は20分で1,000万円。
天才になった気分でした。
結末は、踏み上げです。
価格が急騰して買い戻しを迫られ、大きな損で終わりました。
そこで、骨身に染みた型が一つあります。
ハイレバレッジで一回勝った人は、同じレバの次の負けで全部失う。
値動きの荒い市場では、この型がそのまま出ます。
だから、暗号資産にレバレッジをかける取引を、私は扱いません。
税金の重さは、株と同じ感覚だと危ない
理由の二つ目で、いちばん見落とされるのが税です。
個人が売って出た利益は、原則として雑所得になります。
給与と合算して税率が決まる、総合課税という扱いです。
株や投信の利益にかかる税とは、仕組みが別です。
暗号資産の損を、株の利益と相殺することもできません。
これが、損益通算ができないと言われる点です。
会社員には、給与以外の所得が年20万円以下なら所得税の申告が不要になる線があります。
この線は国税庁の資料で確認できます(2026年8月18日時点)。
ただし、この線には例外があります。
所得税の申告が不要でも、住民税の申告は別の手続きです。
細かい判定は事情で変わるため、迷ったら税務署に確認してください。
ここでは「株より重くなり得る」とだけ持ち帰ってください。
本当にやめた方がいい人の線引き
ここからが、この記事の本題です。
この手の記事の多くは、最後は「正しく学べば大丈夫」に着地します。
私は逆で、やめた方がいい人をはっきり書きます。
- 生活費の数か月分のお金を、別枠で確保できていない人
- 借金の返済が残っている人
- 半年や1年で資産を大きく増やしたい人
- 買うことを家族に言えない人
一つでも当てはまるなら、見送りが正解です。
リスクとうまく付き合う段階ではなく、入口に立たない段階だと考えます。
とりわけ危ないのが、短期で増やしたい人です。
その欲は、私が1億円の空売りで踏んだ穴と同じ形をしています。
家族に言えない取引も危険です。
損を隠す前提のお金は、負けた時に家計ごと壊れます。
あなたはどちら側でしたか?
見送るなら、そのお金は主役のNISAと株式インデックスに回すのが私の考えです。
それでも試す人が守る3つの線
線引きを越えて、なお小さく試すと決めた人だけ進んでください。
一つ目は、金額の枠を先に決めることです。
主役はNISAと株式インデックスで、暗号資産は余りの小さな枠にとどめます。
月3,000円など、失っても生活が揺れない額から考えます。
コインチェックの販売所なら、暗号資産を500円から買えます(2026年8月18日時点・公式サイト)。
二つ目は、現物だけに絞ることです。
レバレッジ取引や自動売買、海外の無登録業者には近づきません。
少なくとも私は、この先も扱いません。
三つ目は、金融庁に登録された交換業者かを確かめることです。
登録の一覧は金融庁のサイトで名前を調べられます。
口座には二段階認証を設定します。
取引所選びの考え方は、金融庁登録の取引所を見分ける基準として別記事に分けました。
念のため書き添えます。
暗号資産は法定通貨ではありません。
価格は変動し、元本割れの可能性があります。
この記事も、成果を約束するものではありません。
最後に決めるのは、あなた自身です。
見送りは、負けではない
最後に、私自身の今の立ち位置を書いておきます。
大負けのあと、私は短期で当てにいく発想を捨てました。
今は米国株のインデックスをコツコツ積む側にいます。
嫌なら戻ればいい、と思える範囲でしか私は動きません。
戻れない金額と戻れない借り方だけは、選ばない主義です。
見送りも、立派な投資判断の一つだと私は考えます。
数年たって気が変わったら、そのとき少額で試せます。
試す側に回る日が来たら、小さく試すための取引所の選び方から歩き始めてください。
この記事を書いている人
しばお、55歳です。
かつて人材会社をやっていて、株・FX・先物と25年ほど相場の近くにいました。
大勝ちも大負けも経験して、いまは長期のインデックス投資に落ち着いています。
この記事は、各社の公式サイトと国税庁の資料を読み比べて書いています。
数字の出どころは、本文中に時点つきで示しました。
詳しい来歴はしばおの経歴と運営者情報にあります。

