「不動産投資、話だけでも聞いてみませんか」。
職場の休憩室や飲み会の立ち話で、この誘い文句を聞いたことがある方もいると思います。
気をつけたいのは、投資の中身より前の段階です。
相談する相手を、向こうから来た順に決めてしまうことがいちばん危ない。
このページで扱うのは3つです。
相談先にどんな種類があるか。
どう選ぶか。
そして、いまどこから検討するのがよいか。
このページで特定の物件をすすめることはありません。
相談の場を選ぶまでの話です。
相談先には、種類がある
「不動産投資の相談」と一口に言っても、窓口の性質は大きく違います。
大きく分けると3つです。
- 不動産会社が自社で開くセミナー・個別相談。作って売る会社が自社の説明をする場。その会社の物件が前提になる
- 面談のマッチング・一括比較サービス。複数社から相談先を紹介する形。幅は広いが対象条件が細かい
- ポイントサイト経由の面談。面談を受けると読者自身にポイントが入る形。入口は軽いが、これも対象条件がある
どれが上等という話ではなく、お金の流れと前提が違うということです。
誰の説明を聞いているのかが分かっていれば、話は落ち着いて聞けます。
選ぶときの判断基準は5つ
- 運営元が公表情報で確認できるか。社名で登記や上場情報をたどれる会社か。たどれない窓口はここで外す
- 自分が対象者の条件に入っているか。50代だと対象外になる窓口が少なくありません。申し込む前に確かめる
- 形式が自分に合うか。大勢で聞くセミナーか、1対1の個別相談か。オンラインで済むか
- その場で決めさせない仕組みか。宅地建物取引業法は断ったあとの再勧誘を禁じています。持ち帰って検算できるか
- 数字を持って行けるか。年収・借入・毎月出せる額。この3つを出せば一般論で終わりません
もうひとつ、選ぶ段階でお伝えしておきたいことがあります。
新築の区分マンションと、中古の区分マンションでは、相談先に求めるものが違うのです。
新築は、価格に販売コストが乗っています。
購入直後に価格が下がりやすく、利回りも低めになりがちです。
収益そのものが目的の方には、向きにくいかもしれません。
中古は価格と家賃の実績が見えています。
その分、判断材料が多くなります。
どちらが悪いという話ではありません。
自分がどちらを軸に検討したいかを、相談先を選ぶ前に決めておくことをおすすめします。
いま、どこから検討するか
この基準で、代表的な窓口を見ていきます。
2つは仕組みが違うので、別々に説明していきましょう。
新築から検討したい方・対象年齢で外れた方は、FJネクストの無料セミナー・個別相談
東証プライム上場グループの不動産会社が、新築の区分マンションを中心に自社で開いている場です。
ここを最初に置く理由は2つあります。
1つめは、対象の幅。
相談窓口には年齢の上限があるものが多い中で、ここは幅広い年代を対象にしています。
50代で他の窓口の対象から外れた方も、ここなら話を聞けます。
2つめは、引き返しやすさ。
申し込んで話を聞いて、数字を持ち帰って終わり、にできる場です。
向いているのは、新築という選択肢も含めて話を聞いてみたい方です。
対象年齢の広さを優先したい方にも合います。
一方で、収益を目的に中古の実績データで判断したい方には向きにくい場です。
購入直後の価格下落を避けたい方も同じです。
そうした方は、上の判断基準に沿って、中古を扱う相談先も含めて比べてください。
詳しい内容と、申し込む前に確認しておきたいことは、FJネクストのセミナー・個別相談を申し込む前に確認することにまとめてあります。
参加条件に当てはまる方は、プロパティエージェントの無料WEB面談も選べる
こちらも東証プライム上場グループの会社ですが、仕組みが1つ違います。
ポイントサイト(モッピー)経由で申し込むと、面談を受けた読者自身にポイントが入る型です。
ただし、年齢・年収・雇用形態などの参加条件が設定されています。
枠は年収帯で分かれていて、条件は時期によって変わります。
ここに当てはまらない方が申し込んでも、面談の対象になりません。
条件・手順はプロパティエージェントの無料WEB面談の条件と注意点で確認できます。
並び順について。
この順番は、対象になる方の幅と、申し込んだあとの負担の軽さで決めています。
参加条件に当てはまらない方や、ポイントサイトの利用自体に抵抗がある方には向きません。
その場合は前段のFJネクストのほうを検討してください。
面談で確認しておきたいこと|キャッシュフローと頭金の考え方
ここからは、どの窓口で面談を受けるときにも確認してほしいことです。
私自身が不動産を持つうえで、いちばん大事にしている考え方でもあります。
不動産投資は、他人のお金(融資)で買い、他人のお金(家賃)で返していく仕組みです。
返した元本の分だけ、物件のうち自分の持ち分が積み上がっていきます。
この仕組みを崩さない条件だと考えてください。
そう考えると、次の話がつながって見えてきます。
1つめは、月々の収支をプラスにする条件で交渉することです。
毎月の家賃から、ローンの返済・管理費・修繕積立金・固定資産税を引きます。
手元にいくら残るかを、面談のその場で数字にしてもらってください。
プラスにならない条件なら、その場では決めずに見送る。
返済期間を長く取る交渉も、月々の負担を軽くする方法のひとつです。
ただし、いいことばかりではありません。
返済期間を長くすると、支払う利息の総額は増えます。
空室・家賃の下落・修繕・金利の上昇が重なれば、収支はマイナスに転じることもあります。
これらを織り込んでもプラスかどうか。
面談では、そこまで確認してください。
2つめは、頭金の意味です。
頭金を入れると「お金が減る」ように感じるかもしれません。
実際には現金が物件の持ち分(資産)に形を変えただけです。
入れたぶん借りる額が減るので、支払う利息の総額も減ります。
ただし、頭金がそのまま戻ってくる保証はありません。
売ったときに手元に戻るのは、売れた価格からローンの残りと売るときの費用を引いた額です。
売値が下がれば、戻る額も減ります。
売るまでは現金として自由に使えない点も、覚えておいてください。
急な出費に備える手元資金は、頭金とは別に残しておきましょう。
大事なのは、その持ち分の価値がなるべく目減りしない場所を選ぶことです。
建物そのものは、年数とともに価値が下がっていきます。
需要が続く地域では、地価の上昇がその目減りを打ち消すことがあります(価格の横ばいを約束するものではありません)。
値上がり益をあてにする必要はありません。
目減りを抑えられる場所を選べるかどうかが分かれ目になります。
需要が続く場所かどうかは、業者の説明だけに頼らず、公開情報で確かめられます。
- 人口や世帯数が増えているか
- 駅や都心までの距離
- 賃貸の募集がどのくらいの期間で埋まっているか
- 地価公示や、都道府県の地価調査の推移
3つめは、家賃保証(サブリース)に頼りきらないことです。
需要が続く場所を選べていれば、空室は短めの期間で埋まりやすくなります。
保証料を払ってまで家賃保証を付ける必要は、そう大きくありません。
家賃保証には裏側もあります。
保証額が見直される(下がる)ことがあります。
契約の解除が難しい場合もあり、入居者と直接の関係も持てません。
反対に、保証を外せば空室の間の家賃は入りません。
1つめで収支を計算するとき、空室の期間を入れておくのはこのためです。
判断をすべて業者に預けるのではなく、場所選びと収支の管理は自分で持っておく。
これが私の考え方です。
集金や入居者募集の実務まで自分で抱える必要はなく、そこは管理会社に任せて構いません。
この3つは、どの窓口で相談するときも、数字とセットで聞いてみてください。
「安心して資産が増えます」だけで終わる説明には、この数字が抜けていることが多いです。
ちなみに、ここまで詰めても手残りが薄い話なら、私は自分にこうツッコみます。
そんなにしんどい思いをしてまで取りに行くリターンなら、ほかの投資でいいんじゃないか、と。
どの窓口でも、変わらない前提
不動産投資に元本の保証はありません。
空室と家賃の下落。
金利と修繕。
収支はこれらで動きます。
そして、表面利回りには費用が入っていません。
管理費・修繕積立金・固定資産税・保険料・空室の期間を引いた実質の数字を、その場で忘れずに聞いてください。
相談は、契約の場ではなく、検算の材料を集める場です。
その前提で臨めば、断るのも難しくありません。
おすすめは、その場で答えを出さないと決めて行くことです。
持ち帰って計算し直す時間を、面談を入れる前に確保しておく。
聞いた数字は、その日のうちに紙へ書き写しておきましょう。
記憶のまま置いておくと、あとで都合よく丸まってしまうからです。
私がいちばん重く見るのは、毎月の手残りがマイナスにならないかどうか。
ここが崩れる話は、利回りがどう見えても検討から外す。
そう決めておくと、その場の空気に流されません。
この記事を書いた人
しばお
この記事の書き手は、しばおです。
不動産は自分でも一棟持っています。
宅地建物取引士でも税務の専門家でもなく、金融商品取引業の登録もありません。
物件の紹介も売買の仲介もできません。
書けるのは、相談の場をどう選ぶかと、何を持って行くかまでです。
区分マンションを含め、あなたに特定の物件を勧めることはしません。
運営者について詳しくは運営者情報のページをご覧ください。
お金まわりの見直しをまとめて進めたい方はお金のハナシのつかえるまとめもどうぞ。
この記事の内容は、2026年9月23日時点で確認できる情報にもとづいています。
制度や条件、相談窓口の参加条件は変わることがあります。
申し込みの前に、公式サイトの最新の表示をご確認ください。

