初めての職務経歴書は、「棚卸し→翻訳」の2工程で書けます

応募したい求人が1つ見つかって、必要書類の欄に「職務経歴書」と書いてあった。履歴書は昔書いたことがあるけれど、こっちは書いたことがない。そこで手が止まった人向けです。

結論を先に書きます。職務経歴書は、いきなり清書しようとするから書けません。(1)やったことを全部書き出す「棚卸し」 (2)応募先に通じる言葉へ置き換える「翻訳」、この2工程に分けると、初めてでも1枚が埋まります。未経験の職種を狙う場合も、工程は同じです。読み終わったときに、今日書き出す項目が決まっている状態を目指します。

工程1|棚卸し(きれいに書こうとしない)

まず、体裁を一切気にせずに、次の4つを箇条書きで出します。誤字も順番も気にしません。

  1. 所属と期間。会社、部署、いつからいつまで
  2. 担当した仕事を動詞で。「見積書を作った」「新規の問い合わせに一次対応した」「月次の締めをやった」
  3. 規模の数字。担当件数、扱った金額、関わった人数、対応した拠点数。思い出せるものだけで構いません
  4. 頼まれごとが増えたきっかけ。ほめられたこと、後輩に教えるようになったこと、任される範囲が広がった出来事

4を入れるのがコツです。「実績がない」と感じている人の多くは、実績がないのではなく、実績を成果の言葉でしか探していないだけです。売上や達成率が手元にない仕事はいくらでもあります。任される範囲が広がったという事実は、それ自体が評価された記録です。

数字が出てこないときは、給与明細、社内の共有フォルダ、過去のメールを見返すと出てきます。ここで時間をかけすぎないために、まず20分で書けるところまで書いて、あとから足す形にしてください。

工程2|翻訳(社内の言葉を、社外の言葉に置き換える)

棚卸しで出てきた言葉は、たいてい社内でしか通じません。ここを置き換えるのが、職務経歴書のいちばん大事な作業です。

  • 社内システムの略称・独自の呼び名 → 一般名詞にする(「〇〇システムの入力」→「受注管理システムへの受注データ入力」)
  • 役割の呼び名 → やっていた内容にする(「サブリーダー」→「4名のシフト管理と一次確認」)
  • 成果の書き方 → 「何を、どうして、どうなったか」の順に直す

未経験の職種を狙う場合、翻訳の方向が変わります。狙う仕事のほうから見て「これは使える」と読める形に寄せます。求人票に繰り返し出てくる言葉を3つ拾って、その言葉に対応する経験が自分の棚卸しの中にないかを探す。あれば、その言葉で書き直す。これだけです。

ここで、経験を盛らないでください。 面接でよく聞かれるのは、書類に書いてある一番大きな数字と、一番強い言葉です。説明できない言葉を書くと、そこだけ話がつながらなくなります。書けるのは、翻訳までです。

体裁と分量(迷ったら型に乗る)

体裁は自作しなくて構いません。ハローワークインターネットサービスの「履歴書・職務経歴書の書き方」ページに、職務経歴書のテンプレート(簡易版・詳細版・表形式)と、作り方のパンフレットが公開されています(2026-08-04時点で確認。内容は更新されることがあるので、最新は公式ページでご確認ください)。まずここの型に自分の棚卸しを流し込むのが、いちばん速いです。

分量は、A4で1〜2枚に収まる形が扱いやすいです。経歴が長い人は3枚になることもありますが、その場合は冒頭に要約を置いて、読み手が最初の10行で全体像をつかめるようにします。

並べ方は2通りあります。古い順に書く形と、新しい順に書く形です。直近の仕事で勝負したいなら新しい順、経験の積み上がりを見せたいなら古い順、という選び方で構いません。どちらが正しいということはないので、ここで悩む時間はもったいないです。

つまずきやすいところ

  1. 志望動機を職務経歴書に長く書いてしまう。 ここは経歴の書類です。志望動機は別の欄か面接の場に置きます
  2. 1枚を全社に使い回す。 棚卸しは共通で構いませんが、翻訳は応募先ごとにやり直します。直すのは順番と、拾う言葉だけです
  3. 会社の端末で作る。 在職中なら、私用の端末と私用のメールアドレスで作ってください
  4. いきなり完成させようとする。 初稿は下手で構いません。読み返せる形になっていることのほうが大事です

この書き方が向かない人

  • まだ辞めると決めていない。それでも棚卸しだけはやっておく価値があります。書き出すだけなら、何も失われません
  • 職務経歴書を求められていない。求人によっては履歴書だけのこともあります。求人票を先に読んでください
  • 資格や免許が必須の仕事を狙っている。書類の書き方より先に、要件を満たしているかの確認が要ります

この記事を書いている人

しばおと申します。1974年生まれの団塊ジュニアです。人材紹介会社の社長をやっていた側の人間で、自分自身も転職活動を5回、6社を渡り歩いてきました。送り出す側と、動く側の両方から書類を見てきました。

読む側にいたときに一番よく思ったのは、書けない人は経験がないのではなく、経験を社外の言葉に置き換えていないだけということでした。自分が5回やった側でも同じで、うまくいかなかった回は、たいてい棚卸しを飛ばして清書から始めています。

職務経歴書は、応募のための書類であると同時に、自分が何をやってきたかを自分で確かめる作業でもあります。書き上がったら、次は在職中に動くときの段取りです。在職中に転職準備を進める最初の3手を見るほうで、全体の順番を確認してください。

私はキャリアや労務の資格を持っているわけではありません。書類の様式や公的な支援の内容は、ハローワークなど公的機関の公式情報でご確認ください(2026-08-04時点。最新は公式でご確認ください)。