面接で「二種免許は、うちが負担しますよ」と言われたとします。
ありがたいと思ったすぐあとに、頭へ浮かぶのはこの問いでしょう。
辞めたくなったら、そのお金はどうなるのか。
「会社負担」の一言は、飲み会の幹事の「ここは持つよ」に似ています。
本当に持ってくれる幹事もいれば、翌週に「先週の分、1人いくらね」と言い出す幹事もいる。
同じ一言でも、中身は聞いてみるまで分かりません。
返すかどうかは、会社との契約の書き方で決まります。
この記事では、契約書のどこを読めば返す話かどうかが分かるか、その順番を書きます。
応募の前に、書面で確かめるための記事です。
タクシー会社を見比べるところから始めたい方は、ドライバー・タクシーの求人窓口を比べたページが先に役立ちます。
「会社負担」は、返さなくていいお金のこと?
答えは、会社の契約しだいなんです。
求人の「負担」の一語には、少なくとも3つの形が入りえます。
- 支給。会社が出して、返す約束がない。
- 貸与。会社が立て替え、一定の日数や期間を勤めたら返さなくてよくなる。
- 立替。辞めたときに、返す約束がついている。
求人の見出しだけでは、どれなのかを読み取れません。
だから、契約書の文言に当たる必要があります。
実際に裁判になった例もあります。
タクシー会社が二種免許の教習費などを立て替え、「800日乗務したら、返済を免除する」と約束した事案です。
大阪地裁は2009年9月3日に、これを返還免除の特約がついた貸付と認めました。
800日に満たずに辞めた乗務員には、返す義務がある。
そう判断されています。
理由は2点。
取った資格は他社でも使えること。
会社は教習費を立て替えたにすぎないこと。
ただ、これがどの会社にも当てはまる、とは言えません。
契約の書き方と事情で、結論は変わります。
この例から持ち帰れるのは、「免除の条件が日数などで書かれていることがある」という点です。
入社祝い金の返金は、また別の話です。
ここでは、免許の費用だけに絞ります。
契約書の、どこを読めばいいの?
応募の前に、次の4つを埋めてみてください。
書き出すだけで、頭の中がだいぶ静かになります。
- 費用の名前(支給か、貸与か、立替か)
- 返さなくてよくなる条件(日数か年数か、どこから数え始めるか)
- 途中で辞めたときの扱い(全額か、残りの分だけか、いつまでに返すか)
- 約束を書いた書類(募集要項、雇用契約書、誓約書、貸借の契約書)
4つ目が、いちばん見落とされます。
募集要項には「会社負担」とだけあり、返す条件は別の書類に書かれている、という並びがありえるからです。
読む順番は、募集要項から雇用契約書、そして誓約書や貸借の契約書へ。
署名や押印を求められる書類は、署名の前に写しをもらってください。
持ち帰って、落ち着いて読むためです。
面接や問い合わせでは、次の文をそのまま使えます。
二種免許の費用が支給か貸与かを、返さなくてよくなる条件もあわせて、書面で見せていただけますか。
条件を聞くと印象が悪くなりそうで、気が引けるかもしれません。
けれど、契約の前に条件を確かめるのは、働く側の当たり前の手順です。
書面を出せない会社なら、そのこと自体が判断材料になります。
法律の話は、どこまで言えるの?
労働基準法の第16条は、労働契約を守らなかったときの違約金や、損害賠償の額をあらかじめ決めておくことを禁じる決まりです。
栃木県の労働相談のページに、会社の指示で取った免許の費用を、退職のときに返せと言われた例があります。
返還を求めること自体が不当とされる可能性があるそうです。
一方で、会社の請求を認めた判例もある、とも書かれています。
つまり、返すか返さないかは、契約の形と事情しだいです。
私には、その線引きは判断できません。ここは正直にそう言っておきます。
請求に納得できないときは、まず会社と話し合う。
解決しなければ、勤め先を管轄する労基署の窓口に相談できます。
民事で解決したい場合は、弁護士への相談もあります。
どちらも、同じ県のページが案内している窓口です。
辞められなくなりそうで、怖いんです
ここで手が止まる人、多いんですよね。
家族に話したときにも、同じことを聞かれやすい。
「会社が出してくれる」より、「辞めたらこうなる」まで言えるほうが、話は早く進みます。
求人窓口の違いは、タクシーの求人を比べて選ぶページで見比べられます。
私が大事にしているのは、戻れる条件を先に確かめてから動くことです。
4つの項目が埋まっていれば、辞めたときの形が見えます。
見えている道は、たいてい怖さが半分になります。
それにしても契約書の字は、大事なところほど小さいんですよね。
50代の目には、なかなかの難所です。
拡大コピーを頼んで読んでも、誰にも笑われません。
読んでも分からない一文があれば、そこで署名を止めて構いません。
確かめたい条件を紙に書き出してから、タクシーの求人を集めた窓口を1社だけ先に見ておく手もあります。
求人を見るだけなら、署名とは別の話です。
しばおが、確かめ方だけを書いた理由
1974年生まれの団塊ジュニアです。
かつて人材会社をやっていて、自分でも5回転職して6社を渡り歩きました。
タクシーを運転した経験はありません。
法律の資格も持っていません。
だから、会社の内部事情や法律の線引きは書かず、書類の読み方と聞き方に絞りました。
運営者の経歴は運営者プロフィールのページで確認できます。
条件を確かめたら、次はタクシーの求人窓口を選ぶ手順のページへどうぞ。
二種免許の費用の扱いは、会社と募集の時期で変わることがあります。
申し込む前に、募集要項と契約書の最新の表示をご確認ください。



